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牽引治療をしてはいけない

  • 腰部の症状
  • 2015.03.30

牽引治療をしてはいけない

首や腰を痛めると、昔から決まって免荷処置(牽引治療)を行います。
しかし、実は私も整形外科で働いていたのですが、牽引治療の直後に患者さんが立てなくなったり、めまいを起こしたりという問題がしばしば続いていました。

私は昔からそのような事が起きることに疑問でした。だって治療したら症状が悪化したりするわけですから。疑問を持ち続け調べていても、医学書からは明確な答えを探せませんでした。

だいたい根拠がおかしい

牽引治療を施術するにあたり、その根拠は次のような時に適応となります。
1.頸椎や腰椎の椎間板がすり減っている。
2.頸椎や腰椎の椎間板がつぶれている。
3.頸椎や腰椎の圧迫によって、末梢神経が圧迫されている。
4.ヘルニアによって、末梢神経が圧迫されている。
5.1~4の理由により、免荷措置をとって症状を軽減する。
…これら根拠には、非常に疑問点があるのです。

神経の圧迫には二種類あった

神経の圧迫には二種類あった

確かに神経は圧迫に弱いのです。バナナのように、少しの外力が加わっても黒ずんでダメージを残すような所なのです。
例えば椎間板ヘルニアによって末梢神経が圧迫されているとしましょう。(実際はヘルニアによって末梢神経が圧迫されることはないと院内通信20号で説明しています。)

圧迫によって痛みやしびれを出しているから引っ張る。確かに単純明快な原始的措置ですが、実は神経の圧迫には二種類あるのです。

一つは皆さんのイメージ通り固いものと固いもので潰すこと。もう一つは端と端をもって引っ張ることです。どちらも圧迫ですが、実は引っ張りによる圧迫のほうが広範囲で重篤なのです。

神経圧迫の縮図です。ひっぱりによる神経圧迫のほうが重篤で広範囲なことがよく解ります。脊髄が細くなっている脊椎間狭窄症を引っ張ると言うのはさらに重篤な圧迫現象を起こすことになります。

木の枝を治すために木の幹を折る?

当然ですが、木の枝は木の幹から成り、木の幹は木の根をはらせ大地から成ります。
それらがしっかりと成り立って、青々した葉を生茂らせます。実は神経もこれに例える事が出来ます。

神経は中枢神経と末梢神経から成っていて、中枢神経はいわゆる脳と脊髄のことです。
末梢神経はその脊髄から枝のように伸びていく神経です。つまり中枢神経は木の幹にあたり、末梢神経は木の枝にあたる構図になります。

実は牽引治療でやっていることは、木の枝にあたる末梢神経の圧迫を除外するために、木の幹にあたる中枢神経を強い力で引っ張り上げて広範囲な神経ダメージを作っているのです。
木の枝が病気のために木の幹にダメージを加える?そんなことをしたら、他の枝まで病気になってしまいますよね。非常に疑問だと思いませんか?

牽引後に調子が狂うのは当たり前

私が病院のスタッフの頃、牽引直後にめまいを訴えたり、立てなくなってみたり、むしろ調子が悪くなってきた報告をうけたりすることへの疑問は、これらの理由ですっきりと答えを出すことができました。牽引治療は、神経ダメージの他にも良くない事をいくつか起こしています。読んでいる皆様は牽引治療をこの先も絶対にやらないようにしてください。

また、当院の治療を受けて、引っ張るような力を加えられた印象はないはずです。むしろ、ある方向に静かに荷重をかけていることが主体です。時には何も感じない方もいるはず。しかし、それによって沢山の方々が治っていきました。

牽引後に調子が狂うのは当たり前

そもそも牽引は身体にたいして壊す力が働く事を知っていたため、拷問に使われていた歴史があります。

人は重力と1気圧の恩恵を受けて成り立っている。

人は重力と1気圧の恩恵を受けて成り立っている

人間も植物も、重力という環境の中で成長してきました。重力とは積み重なる力。そこに引っ張られる力は存在しません。山に登ると体調を崩すことが多く、また台風時期に古傷が痛んだり体調がすぐれないというのはよく聞く事です。

人は宇宙空間に行くと体を保持する事ができず全身がひっぱられ破裂してしまいます。宇宙空間は0気圧です。

しかし、水深で行くと100Mぐらいまで潜っても人間は平気であり、気圧に換算すると11気圧にもなります。このことからも、人は荷重要素に強く引っ張られる力にはめっぽう弱いことが理解できます。

ちなみにフリーダイビング記録保持者は200Mつまり21気圧にも及びます。

気圧が下がる方にはわずか1気圧下がるだけで人は破裂し生きていくことができませんが、加圧するほうには20気圧までかけても問題なく生きられる理を持っています。

1000Mで0.1気圧失いますが、これだけでも人は高山病にかかったりするほど減圧に弱いですね。このことからも牽引が非生理的なものということが解ります。

死ぬと言う事を考えてみましょう。

死ぬ時は、そのまま土に倒れ込んで途絶えたならば、土や空気に体が返り、地球全体に広がっていきます。それに対して生きると言うのは、全体に返る力に抵抗している姿です。抵抗力が強い程色々な運動が可能であり、生命力が強いといえます。

それに対して、抵抗力が弱まっている姿は、生命力が失われて行くと言う事になり、平たく言えば『老化』していく姿と言えます。

局所に対して牽引するということは、その局所の老化を早めているということになるのです。また、牽引療法が有効というエビデンスはないと先日の新聞で掲載されていたようですし、インターネットで検索しても容易にその内容を散見出来ます。

※牽引に関するエビデンスの一部
6週間以上持続する腰痛患者151名を対象とした牽引群とシャムトリートメント(擬似牽引)群に割り付けたランダム化比較試験(RCT)によると、3ヵ月後と6ヵ月後のどの時点においても両群間の疼痛軽減率に差は認められなかった。
http://1.usa.gov/pbbXCc

頚椎間欠牽引療法についてはエビデンスがなく,その意義については今のところ不明であり今後検証する必要がある。
http://minds.jcqhc.or.jp/n/medical_user_main.php

なかでも脊椎間狭窄症に対して牽引を施行すると言うのは疑問の最たるもので、脊髄が圧迫され広範囲に細くなっているものを、さらに治療と称して引っ張って細くしてしまう訳ですから、もう狂気とも思ってしまいます。

基本的には、神経圧迫症状は「引っ張り」によって起こるものです。その回復に牽引が有効というのは考えられません。引っ張りによる緊張を除外する方針を打ち立てるのが道理です。

今回のおさらい

1.牽引治療はよくない。
2.末梢神経にとらわれ中枢神経にダメージを与えている。木を見て森を見ずとはこのこと。
3.地球上の生物は重力の恩恵で成り立っています。重力は積み重なる力。だから加圧には耐える事ができるけど、膨張する力(引っ張る力)にはとても弱く出来ています。

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