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ヨガと関節症

  • コンディショニング
  • 2024.06.08

ヨガによってむしろ関節が固くなる?

長年ヨガを趣味でやられている方や指導者の方で、「むしろ関節が固くなってきてしまった、手足に力が入りづらくなってしまった、痺れるようになってしまった」などの相談がまずまず多いです。本来は身体を柔らかくして健康増進イメージの強いヨガですが、なぜそのような事が起こってしまうのでしょうか。

関節は基本的に引っ張ると動きが悪くなる

関節は関節液という潤滑剤が介在してスムーズな動きを成しています。結論から申し上げますと関節同士を引っ張り緩ませると潤滑不全が起きてスムーズに動かなくなってしまいます。逆に、関節には適度な荷重が乗ることでスムーズな動きを達成します。また、関節は耐荷重にはとても強いですが牽引力にはとても弱くできています。

関節液=潤滑液は粘度をもった液体です。例えばバナナの皮を気づかず踏むとズルっと滑りますが、バナナの皮をそっと踏んでもあまり滑りません。粘度をもつ液体は適度な荷重をかけることで特性を活かし、スムーズな動きを達成しています。関節を引っ張ると、これと同じことが関節内に起こり動きが悪くなってしまうのです。

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引っ張られた関節に起こる症状

関節を引っ張られると潤滑不全から動きが固くなる事は述べたとおりですが、その他に「力が入らなくなる」「腕、脚がしびれる」「違和感がでる」などの症状が出ます。関節を引っ張るという事は神経も血管も同時に引っ張ることになり、神経の情報伝達や血行までも緩慢になることで上記のような症状が起こります。また関節が引っ張られた状態(非重力状態)が続くと骨粗しょう症など骨の病変が起きるリスクが高まります。

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関節の位置関係を保ったまま可動域を広げることが大切

当院でも皆さんに全身を動かし身体を柔らかく保つようにと運動指導をしています。その際気をつけていることは“立位を保った状態で行う”ということ。例えば骨盤から下肢の柔軟体操で有名な伸脚運動は、ハムストリングスを中心に筋肉を伸ばす体操ですが、足の裏を地面に着けていることで関節の位置関係が引き離されることが無く対象部位を伸ばすことができます。つまり安全に筋肉を伸ばすことが出来ているのです。
一方同じハムストリング種目でも、ストレッチ体操などで地べたに座り開脚をして伸ばすものは、足底の「止め」がないので行き過ぎることがあり、そうなると関節の位置関係が引っ張られ潤滑不全を起こすことがあります。

ヨガもストレッチも関節を回復させる荷重運動が欠かせない

私はヨガをしっかり学んだことがないので表面的な部分から論じていることをお断りしておきます。ヨガのポーズはいくつもある中で、立位で行うものと地べたに座ったり寝転んで行うものがあります。立位で行うものは先ほど述べてきたように安全を担保されているものが多いのですが、座る、寝そべるものはストレッチ体操と同じように「止め」が無いため行き過ぎることがあります。不具合を感じながらも、これを良しとして続けていくと、潤滑不全が働いてむしろ硬くなる、硬化するという現象がおきることがあるのです。身体が柔らかくなるからと続けているうちに、脱力感や知覚異常、しびれ、真逆の関節硬化などが起きてきます。

さらに憶測になりますが、なぜインド人は大丈夫なのか?人種による問題か?と疑問になりますが、考えられることの一つは関節を壊さないように筋肉にストレッチをかけ正しくポーズがとれていること。もうひとつはヨガによる関節ダメージを回復させる荷重運動が訓練の中に組み込まれており、それを行っていること。回復荷重運動で代表的なものは歩行、腕立て、スクワット、四つ這いでの運動、深呼吸などです。
※これに該当するようなポーズなど詳しい方教えてください。

またヨガというのはそもそも修行であり、健康体操ではないという事が大切に思います。深い呼吸を取って精神統一するためのポーズをとり、神と一体になるというのがヨガの本懐です。ヨガは目覚めた時から修行が始まり、礼拝やガンジス川での沐浴など1日を通して行われ、ポーズを取るのはその一部の時間ということになり、すべての流れに意味があるのだと思います。
いま日本で流行っているのは、修行の中のポーズだけを健康運動としてアレンジしたもので、本来のヨガとは違うものです。1日すべての行動で補完されていた修行行為を抜粋して独自にアレンジすれば、身体に無理もでてきてしまうのではないかと考えています。

今後もヨガを楽しむために

何年も趣味として、また指導者として続けてきたヨガが出来なくなってしまうのは精神的に辛いことでしょう。これからもヨガを続けていくために、まずは身体の随所に起きてしまった不具合を回復させるために、ヨガで言えば基本の深呼吸や瞑想を多く取り入れ、それに加えて関節荷重運動やウォーキングを積極的に行います。関節を伸ばす行為は回復するまで極力控えめに行いましょう。そして症状が回復してきたら(症状の深さにもよりますが3~6カ月かかると思います)穏やかにヨガを再開し、関節を回復させてきた上記のような運動とのバランスをしっかりとることと、“引っ張りに弱い関節特性”をよく頭で理解しておくことが肝要です。
カトキチでした。

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