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関節をポキポキ鳴らすのは止めましょう

  • 手の症状
  • 2014.11.03

指や首をポキポキ鳴らす癖のある人がいます。当院ではこの癖を治すように指導しています。そもそもこの関節ポキポキってなんなのでしょうか。
関節がポキポキ鳴る正体は、キャビテーション(泡が弾ける)という現象からくるものです。キャビテーションとは液体中に生じる気泡が弾ける現象で、風呂の中で手をグルグルかき混ぜると気泡がいくつも生じてパチパチ弾けているあの現象です。

しかしこのキャビテーション、あなどってはいけません。気泡が弾ける瞬間は、小さな面積ではありますが一瞬にして1トン、気圧にして1000気圧以上の力が働きます。つまり関節内面を衝撃によって破壊、浸蝕していってしまうのです。

例えば船のスクリューのような丈夫な鉄板でも、使っていると虫食い状に浸蝕され寿命がきます。この侵食する力がキャビテーションなのです。“鉄板をも貫く力”と理解してください。1、2回のキャビテーションではさほど影響はないものですが、何回も受けていれば鉄板ですら破壊してしまう力ですから、関節内部にこのような事態が起きてしまうと大変危険な状態におちいります。

実際にはどのような事が起きているのか?

例えば指をポキポキ鳴らす癖のある人は節々が太くなってしまうのを多くの方が知っていると思います。あの現象はなぜなのかを紐解いていきましょう。

まず、関節液で満たされた関節内に動きが加わるとキャビティ(気泡)が発生します。指を鳴らす時は通常運動よりもより大きく動かした時、つまり関節内が陰圧に働いた時に気泡の膜が限界を越えてパン!と弾けます。

この弾けた時に発生する衝撃波は、先ほど説明したように一瞬にして1トンの力が出る訳ですから、船のスクリューのように関節内部を破壊し始めていきます。一度の破壊は小さな範囲ですが、これをずっと繰り返していくと関節軟骨は浸蝕を進めていき、やがて虫食い状に関節を変形させていってしまうのです。これがポキポキ鳴らす人の関節変形の正体です。

関節をポキポキ鳴らすのは止めましょう

キャビテーションエロージョン(関節内浸蝕)のイメージ画像

首や腰を鳴らすのは大変危険です!

指の節々が太く変形していってしまうことは理解できました。しかしこれらも度が過ぎると炎症を起こしてしまい、痛みを伴います。年を重ねると修復が追いつかず、しっかり指が握れなくなってしまう場合もあるので、やはり止めた方が良いでしょう。

しかし、腰や首をポキポキする人は、そんな悠長なことを言っていられません。すぐに止めるべきです。なぜなら背骨の中には脊髄神経、つまり全神経の根幹となる大切な部分が通っているからです。特に頚椎損傷に伴う脊髄損傷は、呼吸の乱れ、手足の痺れ、めまい、頭痛といった神経症状著しく、時には歩行不能になったり、生命を奪ってしまう事もあるわけです。ですから、早急に止める必要があるわけですね。

どうしてポキポキが癖になってしまうのか?

ポキポキやる人は、どうして癖になってしまったのでしょうか。それには諸説ありますが理解しやすいのが“ストレッチ効果”です。色々と肉体を酷使していると疲労物質が溜まり、筋や靱帯の柔軟性が失われてきます。そこで強い力で関節を引き伸ばすことで、組織のストレッチが発生し、柔軟性の改善や血流の改善などストレッチ効果を得られ、その時に“ポキッ”と音が伴うと「この音によって良くなっている」と脳にフィードバックされ、快感となり癖になっていきます。

キャビテーションによって主に破壊される関節軟骨には神経、血管が無いために、その破壊による痛みを感覚する事ができません。つまりキャビテーションによってどんどん破壊される関節内部の組織浸蝕には気づく事ができず、「ストレッチ+音」による快感をフィードバックされてしまうことで止められなくなってしまう訳なんです。しかし実際に起こっている事は関節内破壊で、とても危険な事です。ご理解できたのならすぐに止めましょう。

ポキポキ癖が起こす関節ルーズニング(ガタ)

ポキポキが癖になると、初めは大きく動かさないと鳴らなかった関節が、少し動かすだけでも鳴ってしまうようになります。これはどういう事かと言うと、関節のルーズニング(ガタ)が生じている状態です。つまり関節を支えている靱帯を度重なる強ストレッチで伸ばし切ってしまい、ガタガタになってしまうということ。
こうなると関節内に陰圧が生じやすくなり少しの加減でポキポキとキャビテーションが起きてしまうのです。ビートたけしさんは首をいつも左右に動かしているのは皆さん周知かと思いますが、あれはルーズニングが頚部に生じて安定位を得られないために起きてしまった現象です。皆さんの周りでこのポキポキ癖がある人を観察してみてください。落ちつきのない状態になっている人がいたら相当に進行しています。その先は脊髄損傷になってしまう可能性があります。すぐに止めさせましょう。

キャビテーションによるスクリューの浸蝕現象

キャビテーションによるスクリューの浸蝕現象

ポキポキ癖を治すために

まずは止めると決意して下さい。軽いものなら2週間も我慢すれば鳴らなくなります。
しかし先ほど述べたようにルーズニングまで進行している方は、不安定になってしまったこの状態を改善しなければなりません。それに必要な要素は荷重です。指の場合はゆっくりと音が鳴らない様にゴムボールを30回ずつ握って下さい。筋肉の引き締め効果によりルーズニングが少しずつ解消されます。首の荷重要素に一番効率が良いのは「歩行」です。歩く事で重力の恩恵と足から突きあげる力が相まって頚部に程良い荷重がかかり、ルーズニングを徐々に解消していきます。

もしムズムズして鳴らしたい衝動がきたら、鳴らない程度にゆっくり伸ばすこと。これによってストレッチが得られひとまず欲求が満たされます。音が鳴っているのは破壊行為であり、快感を得ているのはストレッチ効果と覚えて下さい。理解できればポキポキしたくも無くなるはずです。

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