スマホ性頚椎症候群
- 頭部・頚部の症状
- 2014.10.28
日本の携帯電話普及率は90%を越え、その中でもスマートフォンの普及率は36.9%と増加傾向。電車などに乗っていると、皆うつむきながらスマホを人差し指で操作していますものね。若者はほとんどがもうスマホを利用しているようです。
そんな中でよく私が指摘するのが『スマホ性頚部症候群』です。
そんな病名あるのか?ええ、私が勝手に作ったので今からあります。笑
いつもうつむいていると、まあ普通に考えて頚の後がずっと引っ張られるわけですから首に張る感じは出ますよね。
首が張るならスマホの操作を止めればいいのですけど、これを毎日繰り返すとなれば徐々にダメージも深くなるものです。
最近はこの手の首周辺の痛みを訴える方が多いので今回記事にしてみました。
理屈が解れば未然に予防も可能です。一緒に勉強していきましょう。
首の解剖を勉強してみましょう!
こちらの図は人の首から頭にかけての側面像です。
頚椎という7つの骨の上に重い頭が乗っかっています。頭の重みは5~6キロもあります。例えればボーリングの玉11ポンドです。それをこの細い頚椎に載せているわけですね。
頭を載せている部分は、頭のまん中ではなくて若干後のほうにあります。これだと顎のある前側の重量が重くなりますので、バランスをとるために後頭部からは頚部の筋群が背中まで張っています。そのため前方に比べ後頚筋群はとても発達しています。
この模型に筋肉に見立てた伸縮テープを貼ってみます。頭が起きているリラックス時はテープに余裕がありますが、頭を下に向けるとテープが緊張しているのが解りますね。これ以上頭が落ちない様に筋を張って制限している訳です。
この緊張状態が長く続けば当然筋群は伸長限界に達して痛みや疲労を起こし始めます。難しく考えなくても「ちょっと無理があるな」と見れば誰でも思えますね。
また物理上、負担がかかる場所は接合部ですから、この模型で言えば後頭部と胸椎に大きな力がかかっています。
ですから、スマホで下を見続けていると、後頭部が痛くなったり、何故か背中が痛くなったりということがよく起こります。
つまりうつむいてのスマホ操作時間が長いと、筋の付着部である後頭部や肩甲骨、肋骨、胸椎など思わぬところに痛みが起こるため、本人としてはスマホが原因だと気づかない事が多いです。該当する方、沢山いらっしゃるはずですよ。
対応策
対応策としては、まずスマホをあまり見ない事。笑
操作する時はあまり下向きにならないよう注意すると良いでしょう。
またこれはスマホに限ったことではなく、PC業務にも言えることです。デスクトップ位置が低いと首を下げて覗き込むように画面を見ますから、同じ事が起こります。椅子に浅く腰かけ、デスクトップの位置を少し上げるなどして、頭のうつむきが極端に起こらないよう工夫しましょう。
また痛む場所はアイシングが有効です。氷でしっかり冷やしてあげて下さい。そして、なんといってもウォーキングが効きます。直接頚の運動をするわけではないので「??」かもしれませんが、ウォーキングの頚部バランス復元効果はとても高いんです。そのメカニズムについてはカトセイ通信28号で触れていますのでそちらを参考にしてください。
※希望者様には差し上げますので受付にお申し出を。
時間にして30分~50分ぐらいの連続歩行が基本です。肩コリを感じ始めたら、ウォーキングでバランスをとる意識を持ちましょう。
お心あたりある方、まずは姿勢の改善、スマホなどをあまり見ないデジタルデトックスを心がけてください。
参考になれば幸いです。
カトキチでした。