糖質エンジンから脂質エンジンへ

今年はしつこくケトン体

ここ最近はケトン体の及ぼす効果について研究していて、ついついその内容を綴ることが多くなってしまいます。しかしやはりケトン体の効果は素晴らしいものがあり、せめて当院に通う皆さんには体感してほしいなーと思っています。

もっと皆さんに理解をしてもらおうとケトン体についての本を執筆している途中ですが、なんせ時間がないもので筆があまり進みません(いいわけ?)そんなときにケトン体や糖質制限の意味について、よくまとまっていて解りやすい良書「まんがケトン体入門」をみつけ、受付に重ねておくようにしました。アマゾンから直接購入しているものなので、わたしには1銭の収入もありませんが笑、それでもみなさんに読んでほしいと思って置いています。是非ともお持ち帰りください。

糖質エンジンと脂質エンジン

普段、ほとんどの人はエネルギーを糖質エンジンから生み出しています。糖質エンジンとは、炭水化物や砂糖に含まれるブドウ糖をエネルギー源として稼働するシステムのことです。糖質エンジンは私たち世代には幼少から慣れ親しんだもので、いわゆるお米やパンなどの精製穀物から摂れる糖質成分が主なエネルギー源です。

瞬発力になりやすく、また食べた時の幸福感が強く、瞬時に燃料になってくれる良い特徴がありますが、血糖値のコントロールが難しく低血糖症状が出やすい、脳の中毒症状になりやすい、肥満の主な原因、癌細胞の餌になる、成人病の主な原因、血圧の上昇等々、糖質の過剰摂取による害が明らかになってきています

脂質エンジンとは内臓やお腹の周りに沢山こさえた脂肪を分解しエネルギーとしていくシステムです。身体の脂肪をエネルギー源としてくれますので、ぶくぶく太った身体がスリム化し、身が軽くなり見た目もかっこよくなり、脂肪が抱きかかえていた有害物質も排泄してくれますのでデトックスには欠かせません。さらに溜め込んだ脂肪は平均20㎏10万8000Kcal、概ね50日間分のエネルギー量がありますから、持久力に優れ、スポーツ選手も脂質エンジン回路に切り替えている人が多いです。有名な選手ではサッカーの長友、水泳の荻野、テニスのジョコビッチ選手も脂質エンジンを取り入れています。

一方、糖質エンジンは体内に貯蔵できる容量は少なく、200~300g程度で、脂肪の20㎏に比べると雲泥の差。1200Kcalしか蓄えられないので12時間程度しかエネルギーが持ちません。しかし糖質には瞬発力がありますので、短距離や重量挙げなどの無酸素スポーツには非常に向いています。
その代わりすぐにお腹がすくし、中毒性が強いため糖質への欲求が強く、つい食べ過ぎてしまい程よい量で食べられないのが難点です。3人に1人がメタボと呼ばれる現代の主な原因は、手軽に糖質を入れてしまえる環境がそうさせていると考えてよいでしょう。

ケトン体とは

ケトン体とは主に肝臓で生成される小さなエネルギー体です。身体に蓄積された糖を使い切り、いよいよ脂肪をエネルギーとして使おうとしたときに、エネルギー体として使いやすい形に変えようとします。

中性脂肪が分解されて、脂肪酸とグリセロールになり、さらにその一部が肝臓でケトン体に合成され脂質エンジンが活動する仕組みです。ケトン体は小さな物質で、ブドウ糖の代わりに脳のエネルギーにもなり、さらに心筋、骨格筋、各臓器のエネルギーとしても効率よく働いてくれるため、痴呆症や脳の疾患、動脈硬化や心臓疾患、癌細胞の抑制と幅広く効果があり研究が進んでいます。

肥満の原因は糖質!

糖質の必要量は1日150g程度のもの。ご飯1膳やうどん1玉が200g程度ですから、1日1杯の白米を食べれば、それ以上食べる必要はありません。つまり、3食とも白米を食べているのは、よっぽどエネルギーを使うスポーツ選手以外は糖質過剰摂取になります。

肥満のメカニズムはここの所カトセイ通信で何度も繰り返しているように、糖質の過剰摂取を抑制するために膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが、糖質が血管を傷つけたりしないよう抱き着いて脂肪細胞に変えます。ご飯1膳に含まれる糖質量を角砂糖に換算すると、実に14個分の糖質量です。

これが1日3杯身体に入ってくるわけですから、一般人には多すぎますね。
“三食白飯は食べるもの”という間違った常識は戦後からここ50年ぐらいのもので、それ以前にそのような食事ができたのはお殿様と上級武士程度。その他大勢は雑穀を少々に木の実や野菜、野生動物など自然の恵みを中心に人類は700万年もの歴史を歩んできているのです。ここ最近急激に増えている成人病や意味不明の疾患は、700万年のほとんどを脂質エンジンで生きてきた人類に、過剰糖質摂取に身体がついていけないからだと専門家は語ります。

実際は食べなくてもいい糖質

1日150g程度の糖質があれば十分で、あとは脂質エンジンを使えば本来の健康状態を維持できるため、食事内容は高たんぱく高脂質、高食物繊維にミネラルを中心にすればよいでしょう。糖質は意識して摂取する必要がありません。お肉やお魚、お野菜にも少なからず糖質は入っているのと、そもそも糖を肝臓で1日に180gほど生成していますので、意識して食べなくていいのです。

ここで勘違いしやすいのが、糖質0にしたのはいいけど、高脂肪はいけないからと従来の間違ったカロリーベース栄養学をもとに脂質摂取を怠ってしまう事です。良質な脂質は重要なエネルギー源となりますので、たくさん食べる必要があります。そうでないと力が無くなってしまい低栄養状態に陥ります。高たんぱく高脂質、高食物繊維を心がけて実践してください。

糖質による中枢中毒症が浄化される期間

糖質には脳中枢を中毒化させる悪影響があります。糖質は細胞のミトコンドリアを介さず手っ取り早くエネルギーとなってくれます。言い換えると、脂肪は巨大な工場でたくさんの稼働物質を必要として生産するエネルギー。その為たくさんのミネラル類を要するが長期的にエネルギーを生産してくれるもの。
一方、糖質は工場など介さず焚火で生産するエネルギーで、めんどくさいことはせずともエネルギーになってくれるがすぐに燃料切れになってしまうものです。

そのため、すぐに脳のエネルギーとなるので、摂取した時の幸福感がとても強くなります。スイーツばかりが世にあふれているのは、糖質の中毒に陥っている人がとても多いからです。脳が要求する中毒物質は、どれだけ高くても売れるもの。それは麻薬が世の中から消えないのと、多かれ少なかれ構造が同じです。

わたしが患者さんに糖質制限をすすめて、素直に受け入れられない人が多いのは、脳中枢が中毒症状になっているからです。だって、どうしても米や麺やピザを食べたくなっちゃうでしょ。笑

その中毒症状が抜けきるまでの間は、平均して1か月ぐらい。1か月ぐらい我慢が出来ると、エネルギー回路が脂質エンジンに切り替わり、脳の中毒が浄化され、隣でアイスクリームを食べる人がいても不思議と欲しなくなります。

自分の身体は何をエネルギーとしているかというのが明確になり、身体が覚えてくれるので、麺や米をみてときめく意識から、質の良い肉や魚をみてときめく意識に変わっていくのです。禁断症状は初めの1か月ですから、その期間だけ我慢をしてみてください。

お菓子売り場で異常に泣き叫ぶ子供

お菓子売り場で異常に泣き叫ぶ子供たち。どこのスーパーでもよくみる光景です。あれはまさに甘い物に脳が侵されている子と考えてみてください。甘いお菓子を食べた→ご機嫌がよくなる→機嫌が悪くなり言う事を聞かない→お菓子をあてに言うことを聞かせる→わがままをいえばあの甘いお菓子を食べれる→渋々お菓子をあげる→そのうち中毒になる→親はそんなにお菓子を食べさせていいものかと不安になり制限する→禁断症状がでてお菓子をみると以上に泣き叫んで食わせろと欲す…
という事です。

それは、大人になればスーパーで駄々こねて寝っ転がることはしないにしても、我慢できなくて何かと理由をつけては今日だけといって甘いパフェをパクっとしてるのと変わりませんね。中毒症状というのはすべてにおいて構図が同じ。それがタバコでも危険ドラッグでも麻薬でも、みんな同じです。

麻薬をちょっと味合わせる→あの時の幸福感が忘れられない→もう少し味合わせる→もっと欲したくなる→高額で売りつけるようになる→なけなしの金をはたいてでも麻薬を欲するようになり立派な中毒症状になる…こう考えると何も変わりませんね。

こういうことを書くと、多くの人を敵に回すんですけど、やっぱり気がついてほしいし体感してほしいから強く訴えます。図星を言われると怒っちゃうのが人の性。せめてカトセイに通院している皆さんは、糖質過多が当たり前の現代のおかしさに気づき、本来の食生活を送ってほしいと願います。