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熊本の震災で地滑りや建物の倒壊で命を落とした方が多くいらっしゃいました。まずはご冥福をお祈り申し上げます。
ところで、地震による倒壊とは別に、車中泊生活を余儀なくされエコノミー症候群により命を落とした方も数十名いたことをご存知でしょうか。

エコノミー症候群とは
飛行機の狭い座席に長時間座っていた乗客が、機から降りた直後に倒れる病気。ロングフライト血栓症ともいう。足の静脈に血の塊ができ、その血栓が肺に詰まって呼吸困難や心肺停止を招く肺塞栓症(肺動脈血栓塞栓症)を起こす。長時間座位により脚の筋運動が停止することで、血液の体循環が滞るようになり血栓が出来る。その血栓が流れ出て肺に詰まり重篤な状態となる症状。

飛行機の長時間フライトで脚光をあびたこの症状ですが、今回の熊本地震の車中泊、その前は2004年の新潟中越地震の際も車中泊の影響により本疾患で命を落とした方が相次ぎました。
運動もせずに長時間座り続けるという行為が、私達の想像以上に身体負担になっているということが解ります。

座りっぱなしの弊害は喫煙に匹敵!最新の研究結果

――米国の先行研究では、余暇のテレビ視聴による「座位時間」が1日2時間未満の成人を基準にした場合、2~4時間未満、4時間以上と座位時間が増えるにつれて総死亡リスクが11%ずつ上昇。

また、冠動脈疾患死亡リスクが18%上昇することが示唆された。
このほか、1時間座位を続けるごとに平均余命が22分ずつ短くなる、という空恐ろしい指摘もある。

実際、座り過ぎの生活は、細胞の寿命や老化に関連する「テロメア」の劣化を招くとされ、「座位による健康被害は、喫煙に匹敵する」と主張する研究者も少なくない。――

米インディアナ大学の研究チーム最新の研究では
標準体格(平均BMI24.2)の20~35歳の男性に、3時間座ってもらい、1時間ごとに大腿動脈の機能を測定した。その結果、わずか1時間の座位で血液を循環させるのに必要な血管の機能が50%も低下することがわかった。

一方、被験者に30分、1.5時間、2.5時間ごとに時速3キロメートルの速さで5分間歩いてもらったところ、1時間に5分の散歩の効果で、大腿動脈の機能が正常に保たれることが示されたのだ。
研究者は「長時間の座位が動脈の機能障害を誘発する一方で、座位時間を“休憩”することで機能低下を防ぐことができる」としている。

現代社会の日常を考えてみましょう

カトセイ通信102号では、座位時間と腰痛の関係について解説を行いました。※読みたい方は受付まで
しかし、今回の車中泊によるエコノミー症候群でも解るように、長時間座位は腰痛症で止まることなく命の危険性も十分にあるということです。
震災で余儀なく動けない場合は仕方が無い事として、東京近郊に住む私達の日常はどうでしょうか。

1日中机に向かって仕事をしたり、学校と学習塾で運動もろくにしない人達で溢れています。
移動には世界的に利便性が高いと評される交通機関が整っています。その為1日に歩く量が10分未満という人も少なくありません。

こんな生活を毎日おくって、健康でありたいという願望をもつというのはあまりに緩慢な話なのです。

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とにかく長時間連続座位を避けよう

インディアナ大学の研究結果では、1時間の連続座位で50%も血液循環機能が低下すると発表しました。
そして1時間ごとに5分間の歩行を行う事で大動脈機能を正常に保てると結論しています。

長時間座位というのは、一見長く座れて楽に感じる様でも、身体にとっては命の危険も脅かす大変なストレスなわけです。よって、インディアナ大学研究チームは「座位時間を“休憩”することで機能低下を防ぐことができる」としたわけです。

なぜ5分間の連続歩行で血液循環の正常を保てるのかというと、歩行によって両脚の筋肉が交代で収縮弛緩を繰り返すわけですが、このポンプの様な動きが実は血液循環に大きな役割をもっています。

文字通り脚に流れ着いた血液を筋収縮によるポンプ作用で心臓に送り返すことで人は正常な血液循環を保つ事が出来るのです。つまり歩行を無くして正常な血液循環は保たれないということです。

だからといって、お仕事中の人が1時間ごとに5分間の連続歩行をするという事が可能な人はまず少ないでしょう。ですので、せめて1時間ごとにトイレ休憩にいったり、背伸びをしたり足踏みをしたりして、座位で固まった身体を解放してあげるようにしてください。

これだけでも血液循環によい影響を与える事が出来るからです。

同じ“座る”でも“座り方”で全然違う結果に

いかなる良姿勢を保とうとも、長時間連続座位は身体に悪影響を及ぼします。
しかし悪い姿勢でいればもっと短期間で悪影響を及ぼすものですから、良い姿勢を保つ事はせめて行うべき事だと思います。

ここでちょっと問題になるのが、日本で売られている椅子のほとんどが、背もたれしやすいように座面が後ろに傾いてしまっていることなんです。
後ろに傾いてしまうと背骨が曲がりやすいように設計されているようなものですから、この状態で良姿勢を保つのは厳しい事になります。
ですので、良姿勢を保ちやすい椅子を使う事も大切なことなのです。

当院の椅子は、わたしが細工しまして、すべてが座面前傾位をもっています。
そして尾骨部分を圧迫しないようにしてあるクッションを活用しています。

枕と一緒で、椅子もビジネスマンにとっては一日の大半を共に過ごす相棒のような存在。何回かの飲み代を節約して、よき相棒とお過ごしになる事をお薦めします。

毎日の仕事は自分の健康があってこそ。エコノミー症候群は飛行機内だけでなく地上でも、車中でも、また会社の椅子でも起こりえる事です。連続座位時間には十分注意して毎日をお過ごしください。

カトキチでした。

加藤整骨院