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温めても血行は良くなりません。アイシングの意味をしっかり理解しよう

  • コンディショニング
  • 2014.09.19

冬でも冷やす!今一度冷やす事の理解を深めよう

この寒い中、やっとの思いで着いた当院で、待っているのは氷のアイシング。本当にすいません。なにもいじめてる訳じゃないんです。早く治るからやっているんですよ。笑
開業11年。今では野球選手が肩を冷やしたりと冷却療法は当たり前の光景になりつつありますが、当初これを理解してもらうのには大変苦労しました。

その甲斐あって今ではよく目にするようになってきましたが、それを納得して取り入れているのは一流スポーツ選手が中心で、まだまだ庶民の間には「温めた方が血行がよくなるから」という根拠のない風説に捉われているようで、街の医療機関でも温めている始末。アイシングが庶民レベルまで浸透するにはもうしばらくかかりそうです。

今回は改めて「冷やす」という効果について理解を深めてもらいたいと思います。

痛いところは温めたほうがいいの?

痛いところはカイロやホットパックで温めた方が良い。
以前から当院に通っている方は、これが事実無根であることがもう常識かと思います。本当に温めた方が早く治るんですか?答えから言えば、むしろ「治る期間を阻害している」としか言いようがありません。

温めると早く治ると信じている方の思考を紐解くと

「温めると気持ちが良いから早く治る」
「温めると血行がよくなるから早く治る」との考えからだと思います。

温めると気持ちが良いから早く治る…。気持ちが良い事をすれば早く治るというのは、イコールでは結べません。

良薬口に苦しという言葉があるように、早く治るためには多少苦痛の事だってあります。例えば、目の前にお肉があって、これを傷ませない様にするには「冷やし」ますよね。

何故ですか?そのほうが細胞の鮮度を保つからです。

それでは鮮魚がありました。この魚の鮮度を保つのに、温める方がいらっしゃいますか? 同じように冷やしますよね。

もしこの鮮魚がしゃべれるとして、
「おーい、わしは温めたほうが気持ちええから、食べられるまで湯に浸からせてくれないか?」

と話したら、皆さんはその通りにしてあげますか。
「それでは傷んでしまうから冷たいけど我慢して冷やしましょう」と諭してあげるはずです。

アイシングの意味をしっかり理解しましょう

それでは、人間と肉や鮮魚の組成を比べてみましょう。
そうです、みんな同じ蛋白質なんです。人間だって熱を加え続けたら、40℃ぐらいの温度で組成を壊していきます。

私が「冷たいのイヤーっ」と言われながらも“いいからいいから”と諭して冷やすのは痛めた組織をこれ以上傷ませないようにする愛情なわけです。

痛む所は熱の反応によって刺激している所。炎症が強いと腫れてきますよね。
ただでさえうつ熱している部分に気持ちが良いからと熱を加えるというのは、その部分の細胞老化を早めているだけになり、症状を長引かせてしまうことになります。

関節の節々が痛くなると、大概病院では「関節炎」という診断名をつけますね。読んで字のごとく関節が炎にまかれているわけですから、早く冷やして火を沈下すると言うのが普通に考えた結果だと思います。

血行が良くなるのはどっち?

「でも温めると血行が良くなるから…」という声がまだ聞こえてきそうです。温めれば血流が旺盛になる映像をテレビで見たことがあるかもしれません。確かに沸騰する水をみれば解るように、静かだった水は熱のエネルギーをもらうと、ボコボコと動き始めます。通常、物質は熱をもらうと旺盛な運動を起こします。それは血液もしかりです。

だからといって「やっぱり温めるのは血流が良くなるんですね」と思うのは気が早いです。血管の中では大変なことが起きています。
例えば、湯あたりを思い出して欲しいのですが、40℃近い熱めの湯に、我慢して長い時間入るとのぼせて倒れます。血液はなんとか身体を守ろうと必死で熱を溜めない様に慌て動くわけです。その時、熱によって血球についていた栄養素は削ぎとられてしまいます。

栄養交換の役割を果たす事無く熱の対応に追われている結果、身体は異常な疲労感を残します。全身で起きればいわゆる「のぼせ」になりますが、局所で起きれば局所の「のぼせ」が起こり、その部分の老化を早めることになるわけです。

具体的にいえば、ホットパックや遠赤外線、マイクロ波、ホッカイロを局所に当て続けることがそれに当たります。

一方で、冷やすと血球に結びついている栄養素を壊す事無く、流れが規則的になり、栄養交換がスムーズに行われます。
熱を加えると一見旺盛に見える血液の流れは、実は規則性を失い血管内抵抗が増え、むしろ流れが悪い状態を招いています。比べて冷やすと流れの規則が整い、しっかりと血液の役割を担うことで痛めた個所の回復もどんどん促すことができるのです。

もちろん、熱を防いで細胞の鮮度を保ち、新たなダメージを負わせない事も回復を促す大事な一因です。野球中継で当たり前となった投手の肩のアイシングは、上記説明を表す代表的な例で、以前に比べると投手の選手生命が10年近くあがったのは周知のことですよね。要するに回復を促し鮮度を保った結果です。

アイシングの意味をしっかり理解しましょう

冷やす物ならなんでも良いのか?

よくシップやアイスノンでも良いですか?という質問を頂きますが、これらと氷冷却はまったく違うものと認識する必要があります。
まず氷冷却と同じと認識しがちなアイスノンですが、これは中に入っている冷却ジェルを凍らせると-16℃ぐらいまで下がります。このマイナスのエネルギーをもった冷却材を患部につけると、相手方を凍らせるエネルギーをもつため凍傷を起こしてしまいます。またシップは皮膚表面温度を3℃ほど下げる事は確認できていますが、深い患部の熱を取り去る事は出来ません。
ヒヤッとするのは薬品の効果で実際に冷たいわけではないんです。

よく用いる表現ですけど、湯の沸いたヤカンにシップを貼っても熱は奪えません。体積が違うんですね。いっぽう氷水によるアイシングは、融け切るまで0℃を保ち熱の移送がスムーズで効率が良いのです。また0℃の状態は凍傷の心配がありません。

熱量に応じて氷の体積量を増やせば深部の熱を取り去る事が可能で、しかも素材が水ですから人体に有害な事がありません。とても安全かつ効率的に熱を奪えるのが当院で採用している「氷冷却」なのです。

アイシングの意味をしっかり理解しましょう

これからの新常識、患部は氷で冷やす!

氷で冷やす理由、お解りいただけたでしょうか。少しずつ氷冷却の効果が浸透していますが、まだ多くの方の意識が「温めると血行が良い」という観念に捉われています。

街の医療機関でよくある話ですが、関節炎や筋の炎症と診断して、炎症と診断したにも関わらずリハビリで温めようといって、帰りに冷シップ出しておきますという。皆さん当たり前に言われるがまま治療を受けていますけど、冷静に考えておかしい事に気づきませんか?

今まで傷は乾燥させることが常識とされてきましたけど、現在では傷パワーパッドなどを初め「創傷は密封して湿潤を保つ」という湿潤療法に意識が変わりつつあります。これを常識とするまで提唱していた夏目医師はかなりのバッシングに耐え正論を訴え続けてきました。正しさを通すまで何十年かかったことでしょうか。

氷冷却は安全かつ効果的な治療法です。間違いありません。かつて湿潤療法が浸透していったように、ジワジワと常識が温から冷に変わりつつある過渡期といえるでしょう。つまり、これを受けている皆様は流行の最先端にいます。笑

最終的には本当のことしか残らないと信じています。当院に残された多くの患者さんの声をみて下さい。奇跡的な回復を遂げた方の声が多く寄せられています。卒業生の言葉に励まされつつ、今ある障害を歩いて冷やして克服していきましょう。カトキチでした。

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