マッサージ依存症に要注意

開業して12年が経過しました。腰痛や肩こりは国内で最も多い身体の症状とされ、当院でも今までに4,000人程の患者さんを診させて頂いてます。
その中でもよくある症状として「マッサージによる二次的な組織破壊による症例」というものがあり、これにはちょっと頭を抱えています。

無資格者等によるマッサージの健康被害が年々増加

先日のニュースでこのような表が目に入ってきました。マッサージや整体を受けることで、肋骨を骨折したり脊髄を損傷したり、しびれが出てしまったりという健康被害が年々増加傾向だといいます。

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日本では「あん摩、マッサージ、指圧、鍼、灸」については3年間の専門教育を受け、国家試験に合格しなくてはなりません。
違反をすれば罰則です。

しかし現状はと言うと、そこら中にクイックリフレ○○分2,890円ですとか、中国式整体チェーンなどで溢れかえっていますよね。
こういった時間と安価で切り売りしているような店は、ほとんど無資格者(国家資格ではなく独自のライセンス制度)が施術しています。彼らの言い分は、「マッサージ行為ではない」という主張で、行政としてもどこまでがマッサージかと明示していないところから取締りが難しく、現在の様な状態になっているとのことです。

マッサージによる肩コリ重症化のメカニズム

さて、マッサージにより重症化する肩コリが結構多くあります。マッサージ直後は楽になっても、やればやるほど、以前よりも肩コリが強くなるという負のスパイラル現象です。

初めは軽く押してもらって十分効果していたのに、段々肩のコリが強くなって、もっと強く押してくれと要求しはじめ、施術者がおもいっきり力を込めても筋肉に指が入っていかないぐらい固くなり、見た目からも肩周辺が盛りあがって腫れているように見えてきます。

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まるで神輿好きの肩にできる神輿ダコのようです。この頃には、本人はどのマッサージも効かず、辛さも倍増しかなりきつい状態に陥っているでしょう。なぜこのような事になるのか、メカニズムを簡単に解明します。

まず、肩コリになる理由はひとつだけでなく、様々です。お仕事でよく腕を使うとか、赤子を毎日抱っこしなくてはならない、またムチ打ちが影響してから肩コリが長引いているとか色々あります。
そこで筋肉の固くなっている、辛い部分を軽く押すと、確かに気持ちがよく治まってしまうこともあるんです。しかしこれが強すぎたり長くやり過ぎたりすると、重症化していく一歩を踏みます。

そもそも、張っているとか、固くなるっていう事はどういうことなんでしょうか。

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人間の皮膚や筋肉は弾性に富んでいます。輪ゴムを引っ張ったら伸びますけど、あれは指を外せば元に戻りますよね。
なぜなら弾力があるからです。ということは、人の筋肉や皮膚も凝ったり張りがある部分は、元に戻ろうとする力が働いている姿でもあるわけです。輪ゴムも何度も伸び縮みさせていると弾力を失い、やがてのびのびになるかゴムが切れてしまうように、人の身体もその部分を緩ませようと何度も押していればそれと同じ現象が現れます。

そうなると異常を戻すように働いていた筋の弾力が失われ、不具合が治りづらくなるのがまず一点。
それと、生き物は免疫力がありますから、やり過ぎてフヤフヤになった所は、固くして外力を受けづらくするという反応を起こすのがもう一点です。

すると神輿ダコのように弾力が減り固くなりますから、そこだけ重いような、突っ張ったような症状をより感じはじめ、ガチガチになった部分をまたマッサージにより柔らかくしてもらう → さらに固くなるという繰り返し悪化現象を起こすことになるわけですね。

筋肉の張りの原因「関節潤滑不全」

先ほど輪ゴムの話に例えお話ししました。輪ゴムを指でひっかけ引っ張れば伸びますが、外せば元に戻るように、肩コリにも張ってしまう原因というものがあります。そしてその問題を解決すると、ゴムの指を外したかのようにスーっと元の位置に治まり、張り感がなくなっていきます。

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そのひとつが頚椎の関節潤滑不全です。つまり頚椎の動きの悪さが起因して、頚部の筋肉を引っ張ったりしている事があるわけです。慢性的だった肩コリも、これによって解決していくことが多々あります。筋の張りも意味があるわけで、この弾力があって元に戻るものなのに、その意味を考えず局所を揉みほぐすような事をしてしまうと治りが悪くなってしまうのです。

カトセイ的肩コリ解決方法

まず、肩コリをエネルギーという形で考えてみましょう。筋肉をたくさん使って疲労したり、関節潤滑不全があって筋肉が張ってしまった現象は、エネルギーの入出力で考えると、すべて【入力】に働いています。ですから、酷い肩コリは【エネルギー過多】となりパンパンに腫れあがったようになります。

ここで、一般的な肩コリへの対処法をあげると、
①指圧、マッサージでもみほぐす ②患部を温める ③低周波など電気をかける
などがあげられますね。しかしこれらはすべてエネルギーの入出力で考えたら、すべてが【入力】に働きます。揉む→力を加える 温める→熱を加える 低周波→電気を加えるですから。
もともと肩コリはエネルギーの入力によって出来る症状ですから、これを治すには【出力】として働かなくてはなりません。
ですので、クイックマッサージなどを受けて、患部を温め低周波を一定時間かけているけど、治るどころか段々悪化していったという話は、私から言わせると【当たり前】ということになる訳です。
昔から出もの腫れものは冷やして対応してきたはずです。氷袋で患部に当てるという行為は、相手のエネルギーを奪った形が【融ける】という事ですから、これは【出力】にあたるわけですね。
ですからまずは【患部を冷やす】ことが大切です。

次に大切なことは、【関節の動きが悪い部分へのアプローチ】です。これが解消しなければ、冷やして痛みを取ったとしても原因が取り除かれていないので根本的な解決に向かいません。よって、手技療法や各種治療機器を使って関節の不具合を取り除きます。また治療機器は、慢性化し弾力を失った筋肉の回復にも効果的です。

このような対処をでしばらく経過を診ることで、多くのマッサージ依存症による重度肩コリ症状が解消していきます。現在、まさにこの症状でお悩みの方が多く来ているのでこの記事を書きました。よく読み返していただき、理解をした上で指導内容を実践していってください。徐々に辛さから解放されます。カトキチでした。

編集後記
今回は肩コリについて記事にしました。大体の肩コリはこれで治りますが、どうしても治りが悪い肩コリがあるんです。それが「心の肩コリ」です。借金で首が回らないとよく言いますが、あれ、ほんとに回らなくなるんです。今の環境でストレスに感じたり、追い詰められていると不思議と肩が凝ってきてしまい、重症になる場合もあるわけです。この心の肩コリの完治は、自分の心を強くする、あるいはストレスから解放することが条件ですから、一筋縄ではいかないわけなんですよね。そんな皆さんにも勇気と健康を与えられる人格を身につけなくてはと考えるこの頃です。
院長

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