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成長期の痛み オスグッド病の対応

  • 膝の症状
  • 2015.07.14

こんにちは町田の加藤整骨院です。
成長期によくある膝の痛み、オスグッド病。

成長期の痛み オスグッド病の対応

正式にはオスグッド・シュラッター病といいます。
いわゆる骨端炎の一種なんですけど、これがとっても痛いんですよ。

実はこの写真、わたくしの膝であります。オスグッドは通称ヤンチャ病。主に成長期過剰なスポーツなどを行う事で発生する障害です。当時から運動が全般好きだったわたしは成るべくして両膝ともオスグッド病にかかりました。
同級生も何人かこのオスグッドにかかっていて、あまりの痛さに中学生の私達は「押すとグッと痛いからオスグッドなのでは?」と話し合ったものです。

さて、このオスグッドはどのようにして形成されるかというと、大腿筋群の強い収縮が繰り返される事により、脛骨部分の大腿筋付着部に骨から剥がれる様な力がかかることで局所に負担がかかり炎症が起こります。
この炎症によって強烈な痛みをだしているわけです。

繰り返し剥離させるような力が加わると、特に成長期には防御反応も旺盛ですので「剥がすまい」と骨を増殖させ対応しようとします。その変形の過程はずっと痛みを伴い、変形が終わる頃には痛みも終息して、写真のような状態になります。

当時の部活動といえば軍隊式訓練法、いわゆるスポ根時代でしたので顧問の先生も「集中していれば痛みなど感じない」なんて事を言われるものですから我慢して運動を続けていました。私の膝はその結果できたたまものですね。

我慢が過ぎると完全に剥離することもある!

成長期の痛み オスグッド病の対応

成長期の部活動。当時のスポ根練習は非科学的ではありましたけど、すべてが無駄だったかといえばそうではありません。
当時から「辛い時こそ頑張る」という教えを守ってきたために、現在の整骨院運営を頑張れているところもあります。

多少の変形を覚悟しているなら痛みを我慢して練習するのもまたその子の人生でしょう。
ですからオスグットの治療をするにあたり、本人はどうありたいのかをよく話し合い治療方針を決定しています。

しかし状態によっては練習を完全にストップすることもあります。
何故ならあまり無理し過ぎると脛骨粗面部(大腿筋付着部)が牽引力に屈服し剥離してしまう事もあるからです。

ここまでいくと長期戦線離脱、在学中には復帰できない可能性もあります。
それは本望ではないはずですから説得して練習を休むか顧問の先生と相談しつつ別メニューを提案します。

オスグッドの発生機転

オスグッドはどのような力が働いて疾病に至るのでしょうか。それには大腿筋群の収縮が大きく関与しています。

大腿の筋肉は腰骨から始まりお皿の前を通って脛骨粗面についています。この筋群が強力な収縮を繰り返す事で脛骨粗面に負担がかかり症状を発症します。オスグッドの多いスポーツは跳躍やキック、切り返しの多いスポーツです。
特にサッカー、バスケット、テニス、バトミントン、バレーボールなどでよく見られる疾患です。・・・と、ここまでが一般的なオスグッドの見解です。

当院ではさらにその先をみています。それは骨盤の動きです。骨盤は左右とも回転運動を行っている関節ですが、この回転運動に支障が出ると筋の緊張が強くなり、さらに脛骨粗面部に牽引力を加えてしまいます。早期に回復させるには骨盤の動きを回復させることが肝要です。

成長期の痛み オスグッド病の対応

オスグッドの対処、治し方

セルフケアについて

オスグッドの痛みを抑えるには、まずは1にも2にも炎症の鎮火、つまりアイシングです。

アイシングは氷でないといけません。炎症反応が旺盛な状態ですからその鎮火作業を休むことなく行います。融けては冷やす、融けては冷やすの繰り返しです。1日何度でも行ってください。アイシングする期間は痛みが治まるまでの間です。運動を続けながらの人はアイシング期間が伸びますし、運動を中断できる人はそれよりも短い期間で済みます。

それはオスグッドを作る疾病形成因子(過剰運動)を排除出来ているのかどうかの問題ですね。より短期間で症状を沈静させたいのであれば、やはり休養が必要です。

時にここを温めた方がいいと言っている方がいますが、これはとんでもありません。ただでさえ炎症が旺盛なのにさらに熱を加える行為は火に油を注いでいるようなもの。その後に悪化させる要因になります。

現代では負傷個所を温める人はとても少なくなりました。野球でもサッカーでも負傷部位は必ず氷で冷やしています。炎症を鎮め蛋白融解を止める事が結果的に“鮮度を保つ”事につながるからです。

詳しくはこちらをご覧ください
【温めても血行はよくなりません。アイシングを正しく理解しましょう】
http://katosei.com/1/

サポーターについて

成長期の痛み オスグッド病の対応

オスグッドバンドなるサポーターを医療機関ではセットで勧めてきます。3cm程の細いバンドで脛骨粗面をぐるっと巻くのが一般的です。しかし私の見解ではオスグッドバンドはあまり意味があると思っていません。

なぜなら大腿の収縮が原因で骨端部分に負荷がかかり起こっている疾病ですから、その端末部分を細いサポーターで抑えたところで大腿の強烈な収縮を止める事は出来ないからです。

例えるなら強く引っ張るロープを指で摘まんで抑えようとするぐらい力関係が成り立っていません。
サポーターを利用するなら大腿部の筋群を広範囲に抑える大腿サポータータイプを使用すると良いでしょう。

当院での治療について

運動量の調整、患部のアイシング、サポーターの適切な利用などでオスグッドはセルフケアでもかなりのところまで対応可能です。さらに早期の回復を求める場合は、骨盤の動きを改善すると良いでしょう。
先ほど解剖図を使って大腿筋群の起始は骨盤から起こる事を説明しました。つまり大腿筋収縮が関与しているこの疾患には起始部と停止部に大きな意味を持っているということです。

概ねオスグッドを発症している側の骨盤は正常な回転運動を失い大腿筋群に緊張をもたらしています。
当院で治療を施す場合、この骨盤の動きの悪さにアプローチをかけるのでさらに改善が早まります。
その後は上記のセルフケアに加えて骨盤の動きを整えるトレーニングを指導します。これらの対応でほぼ良好な結果を出しています。

ここのところオスグッドの相談が多かったので記事にしてみました。

わたしも中学生時代は散々悩まされたオスグッドシュラッター病。
少しは当人の気持ちに寄り添って対応できると思います。
オスグッドでお悩みの方、また早期回復を望む場合は是非当院へご相談下さい。

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