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スキー・スノーボードの滑走理論と関節の潤滑理論 完結

  • コンディショニング
  • 2014.12.10

膝を障害した時の対応として、ガッチリと固定をしたり、水を抜いたりするのがなぜ宜しくないかを説明しましょう。

その前に前回までの記事をお読みいただくと理解がより深まります。

【スキー・スノーボードの滑走と関節の潤滑理論 その一】
http://katosei.com/1772/

【スキー・スノーボードの滑走と関節の潤滑理論 その二】
http://katosei.com/wp/1775/

スキー・スノーボーダーで関節を痛めた方、解りやすく説明します

さて、今回はスキーのワックスを例えて話しているので、理解しやすくするためまずはその話からしましょう。

スキーのワックスを活かすには、滑走ごとに剥がして新しいワックスを入れます。滑走面は雪の中に混じるゴミを拾ったりして摩擦が強くなり滑りが悪くなりますから、帰ったらまずクリーニングワックスをかけて古いワックスを浮き出させ削り、滑走ワックスを入れますね。こうすることで滑走性は格段にアップします。これがスキー滑走面の正常な循環です。

一方で、不純物の多い質の悪いワックスで滑走面を仕上げたら、余計に滑りが悪くなります。そのワックスを落とさずにまた質の悪いものを塗り重ねても滑走面に汚れが染み込み滑りは悪くなる一方です。滑走面は正常な循環に戻さない限り性能を著しく低下させてしまいます。

さて、膝の循環の話ですが、関節内循環は荷重と抜重が繰り返されることで新生された関節液をスポンジ形状の関節軟骨が吸い上げ成り立っていると説明してきました。

足を棒のようにしてがっちりと固定をし、まして松葉杖で足をつかないようにすると荷重も抜重も生まれることができませんから、関節内循環はいつまでたっても生まれません。まして、関節軟骨は神経や血管がありませんから、関節液の栄養素を吸い上げることで鮮度を保っているのに、その循環が生まれなければ先ほど述べた廃用性の法則が起こり劣化をしていってしまいます。

また、循環をいち早く再生することが出来なければ古い関節液が溜まる一方で、滑りも悪くなりパンパンに腫れ上がってしまいます。

この状況はなぜ起こっているのか、ここまで読んでくれた読者の方にはもうお解りだと思いますが、関節内循環が乏しいことでこのような現象が起きているワケです。

しかし腫れてるからといって周辺事態も考慮せず水を抜いちゃうと、それ自体の根本解決には至っていませんから何も解決していきません。さらに良くないのは「ヒアルロン酸」を外部から注入するということ。

これは一時的に滑りは良くなりますけど、使い古されると関節軟骨に目詰まりを起こし循環を妨げます。
質の悪い簡易ワックスが少し滑るとゴミを拾って余計に抵抗が強くなるようなイメージです。そうやって病院から卒業できない患者が増えているわけですね。

その二でも少し触れましたが、水が溜まるということは確かに見た目が強烈なんですけども、膝の熱破壊を防止している姿でもありますので、無闇に抜いていれば膝の寿命を縮めていることにほかなりません。

また潤滑液はワックスのパラフィンのように、熱を持つと粘り気を失い、冷えると粘り気を取り戻す特徴がありますから、循環を回復させながら冷却により熱を抑えていれば自然と水はたまらなくなり膝の滑りも良くなります。

歩くと膝が痛んだり腫れがひどければしっかりした固定装具で固めてしまうのが一般的ですが、固定が長引くと足がやせ細り元の筋力に戻るまで時間がかかってしまうのは誰もが知っている事実です。使わない機能は排他される。特に筋肉はその法則が著しく現れます。

以上の点から、現代医療の痛めた時に主に行われている対応は不十分と断定できます。

当院では歩行を妨げない必要最低限の固定にし、できる限り早期に歩かせ回復するまでの間はなるべくスキースノーボードはやらないよう指導し、まずは満足に歩けるようにするのが先決で、その後にしなやかな膝を形成するトレーニングへと移行します。

その二でお話しましたように、膝はそもそも直立二足歩行に対応した形ですから元に戻すためには歩行がなによりの回復薬となるわけです。その後は強い回旋に耐えられる膝へと強化する。この順番は守るべき鉄則なのです。

今回は膝に焦点を当ててお話してきましたが、これは足首であれ腰であれ首であれ、関節されているところは同じ機構を持っていますからすべて同じことが言えます。

滑り手の患者さんには、一通り説明したあと、「滑走面はチューンナップしても、操る自分がチューンナップされていなければ自由に滑ることができません。これからはどちらのチューンも欠かさないように。」

と締めくくります。

関節潤滑のおはなし、ご理解できたでしょうか。

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