ブラジャーの締め付けは呼吸障害を起こす-2
- 体幹部の症状
- 2021.06.12
当方の2015に書いたコラム「ブラジャーの締め付けは呼吸障害を起こす」が現在も人気記事となっており、女性はこの問題で未だお困りの方が多いのだろうと推察します。
2021の現在はブラトップやワイヤーレスの下着などが出てきて、以前よりはかなり絞めつけ過ぎないように配慮しているようですが、検索回数からすると本質的な改善には至っていないようです。いくらブラトップといえども、ゴムの締め付けが強かったら結局胸郭の運動を阻害して呼吸を苦しくしてしまいます。
胸郭運動とは呼吸するときに連動する肋骨や背骨の運動です。息を吸えば肋骨が大きく広がり、吐けば縮みます。肋骨の下部に両手を当てて深呼吸をしてみてください。ここでもし胸郭運動がよく解らないようでしたら、あなたの胸郭運動はかなり妨げられていて、呼吸が浅くなり息苦しく感じたり、胸が痛くなったり、咳き込んだり、心臓が急にドキドキしたりと胸郭障害を起こしていることでしょう。
いまこの記事を執筆しているのは梅雨時期なのですが、梅雨時期は外の湿度が高くなるので、肺の中との湿度差が減り、ガス交換がやりづらくなるのでさらに苦しさを感じているはずです。毎年梅雨時期になると呼吸器系がおかしくなるので苦手…という方はこの理由からかもしれません。
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さて、なぜブラジャーが呼吸障害を起こすのかの詳しくは以前のコラムを参考にするとして今回は当院でこれらの治療をする際、どのように行っていくかを具体的に紹介していきます。
1. 手技療法による胸郭運動の改善
胸郭運動に乏しくなってしまった肋骨や背骨の関節の動きを改善するための手技療法を行います。個人差はありますが施術後はこれだけでも呼吸が楽になったことを認知できます。
2. 治療器具による肋骨間の筋群や脊柱関節へのアプローチ
肋骨が関節されているところは背骨と胸骨にあります。つまり背骨の動きが悪くなると胸郭全体の動きも悪くなってしまいます。ここのところのホームワークの影響で姿勢が悪くなり、猫背が気になってきた方は要注意です。もしかしたら胸郭も動きが悪くなり、呼吸が浅くなっているかもしれません。また肋骨と肋骨の間には、肋間筋という薄い筋肉があるのですが、ここが弾力性を失っていることも一つの要因となります。
胸郭運動が乏しくなる→長期に及ぶ→筋群が弾力を失い慢性化
という構図です。ここにある特殊な治療器具で肋間筋の弾力を取り戻すよう試みます。
3. 肥満改善指導
もし肥満が原因で胸郭が固くなっているのなら、肥満を改善しないと根本的な回復ができません。食事や運動指導を中心に行い実践していただきます。当院はパーソナルトレーニング事業も行っており、この分野でもプロフェッショナルです。
4. 呼吸機能改善運動指導
治療を受けた後はおそらく呼吸がしやすくなり楽に感じると思います。しかし根本的な回復を遂げるには、ご自身でのトレーニングが欠かせません。深呼吸をベースに胸郭を自分で動かして、胸郭改善運動を行う事で根本的に呼吸機能が改善していきます。そのためのトレーニング指導を行っていきます。
5. 日常生活注意点指導
いくら胸郭の治療を行っても、いわゆるワイヤー付きのよせてあげるようなブラジャーを着用していては回復していきません。胸郭運動を妨げるような日常生活注意点について指導していきます。
治療期間について
治療期間は個人差がありますが3~4カ月ぐらいかかります。通院間隔も個人差ありますが週に1~2回ぐらいが基本です。1回の治療後でも呼吸は楽になると感じますが、当院の目指しているところは根本治癒なので、症状を楽にするところで終わりではありません。患者さんがどこまで求めるかで治療期間はもちろん変わりますが、根本治癒を目指すのであれば身体の再生を待たなくてはならないので、最低でも3カ月はかかります。筋肉をつけたいときは筋力トレーニングをしますが、どんな筋トレでも肉体改善をするにはそれぐらいかかりますね。この場合も胸郭周囲の筋力を改善する目的があるのである程度の期間が必要です。
費用について
費用は初診で1万円、二回目以降は7千円です。
今回は具体的な治療方法について記事を書いてみました。
自分の事かな?と思った方はお気軽にご連絡ください。辛い胸郭症状を一緒に克服していきましょう。