こんにちはカトキチです。皆さんはダイエットをするとなると、方法として一番に浮かぶものは「カロリー計算」なのではないでしょうか。各食品のカロリーを調べ、基礎代謝から食事摂取量がどれぐらいに達しているのか計算し、トレッドミルではどれぐらいのカロリーを消費したのかデジタル表記され、毎日数字管理しながら食事内容をきめていく。そんな方法を思い浮かべる事でしょう。しかしこのカロリー計算、あまり明確な根拠をもっておらず、私的には活用をお勧めしていません。

もちろんこのカロリー計算を用いて、結果を出している方も沢山いらっしゃいます。しかし結果が出たのはあくまで消費量>摂取量という原理原則を守っているという事と、毎日の数字管理でダイエット意識が途切れずモチベーション維持できていることにあると思っています。結果が出てるからといって内容が合っているとは限りません。

そもそもカロリーとは
カロリーの定義は「水1㎏の温度を上げるのに必要な熱量」です。カロリー計算は1988年にルブネルが考案した方法です。具体的には、食品を空気中で燃やして発生した熱量から同量の食品を食べて出た排泄物を燃やして発生した熱量を引いて出た数字がその食品の熱量、という考え方です。

炭水化物が4キロカロリー、タンパク質が4キロカロリーで脂質が9キロカロリーという数字もこれによって生まれました。脂質のカロリーが多いため、痩せるには脂質を控えなければいけないという考え方もこれによりますね。
※実際は脂質で太りませんので間違えです。

すべての食品にカロリー表記がしてあることからも解るように、現代もこのルブネルのカロリー計算を基にダイエットをしたり食事管理をすることが主流です。しかしこのカロリー計算という考え方が、今となってはいかに無根拠であるかという事が欧米諸国では常識になっています。いくつかその事実を並べてみたいと思います。

無根拠のカロリー計算
①カロリーはカロリー計算するための専用機器で食品が燃焼するまで燃やして測定し、そして排泄物も燃焼するまで熱を加えて燃やし、差し引きして数値化したものです。しかし、身体の中はせいぜい40℃未満の体温ですから、そんな強い熱量は発生しませんし、体内で食品が完全燃焼するまで燃やすことなどできません。つまり身体から発生する熱量と機械で算出したカロリー熱量を合致して考えることにそもそもの無理があります。

②加工食品のほとんどはカロリー数値をしっかりと算出していません。加工前にすでにある単体の食品の参考カロリー数値から計算して割り出したものがほとんどで、完成した加工食品を燃やして割り出したものではないため数値自体が参考適度のものばかり。ダイエットのため厳密にカロリー計算をしても、そもそもの素材がいい加減です。

③そもそも体内に取り入れた細胞内の代謝と、カロリー算出専用機で行う大気中の燃焼はまったく違う現象です。さらに、排泄物のほとんどは腸内細菌で、食べた食品のみを排泄することは不可能ですし、体内であらゆる物質の交換や細胞代謝が行われていることも、カロリー算出ではまったく無視をしています。

④私を含め糖質をコントロールしボディーメイクする人は、カロリー計算はまったくせずに体脂肪を一桁にもっていっています。脂肪になる素材は主に糖質であることは様々な研究で明らかになっているのであり、タンパク質や脂質は多く摂取しても血糖値を揺さぶらず、さほど脂肪に変換されません。ちなみに、体脂肪生成のメカニズムは、血中に入った余剰な糖質(ブドウ糖)がインスリンによって吸収され体脂肪となります。
※写真は筆者です。

⑤近年は糖質の研究が進み、不治の病であった糖尿病は糖質を著しく制限することで治癒する例が多く報告されています。その食事内容は従来の無根拠なカロリー計算法を利用していません。長い間糖尿患者は、きついカロリー制限を課せられてきた割には病を克服できず苦しんできました。現在糖質制限を推奨する糖尿病専門医院では、従来のガイドラインにあるカロリー数からはるかに高い数値で糖尿患者に食事を提供し、以前ではみられなかった体脂肪減少をさせながら病の克服に成功しています。

⑥草食動物で、例えば牛はカロリーで言えば限りなく0に近い牧草を食べて、筋骨隆々になり栄養満点な(※栄誉満点なのは子牛にとって)牛乳を分泌します。これは結果から話すと、牧草によって牛の消化管内にある微生物が牧草のセルロースを分解し、微生物が産出するアミノ酸や脂肪酸を吸収することでこれを成しているのです。実は人の消化管にも120兆をこえる腸内細菌で埋め尽くされており、人を作る細胞は60兆であることから約二倍の細菌が存在します。そしてまた人の腸内細菌もビタミンやアミノ酸、脂肪酸を分泌しそれを腸管から吸収してエネルギーに変換しているのです。このような腸内細菌の代謝もまったく無視してカロリー算出しているのであり、また糞便中のほとんどは腸内細菌だから、これをいくら燃やしたって食品のカロリー数は正確に算出できません。

他にもいろいろありますが、これだけでもカロリー計算がいかに無根拠かという事が解ります。私も試行錯誤をして今日まで患者さんにより良い減量法を提供すべく実験を繰り返しましたが、カロリー計算でやったときは、とにかく抑圧が強いし、きつい割には痩せられず、体重は減ったとしても脂肪がぽっちゃりと残り、カッコいい身体とはいきませんでした。

当コラムでも何度か触れているように、脂肪になるメカニズムは糖質の多量摂取によってインスリンが多量に分泌し、それが糖質を摂りこんで体脂肪に代わるというメカニズムです。なかなか痩せないという人は、カロリーを考えて食事全体量を減らし、辛いにも関わらず糖質量の割合が多いことが原因で、痩せられないのです。そうではなくて、タンパク質や脂質はお腹いっぱいに摂取して糖質を摂らないようにさえすれば、どんな人でも脂肪をエネルギーにするしかなくなるので、肥満になることはありません。

糖質制限のいいところは、カロリー計算ダイエットのように抑圧感が少なく、お肉やお魚の他総菜をお腹いっぱい食べれるところ。そのうちにブドウ糖エネルギー代謝から脂質代謝に代わり、そのころには不思議と糖質を欲さなくなってきます。となりでピザやパフェを食べている人をみても欲しなくなりますし、白米を腹いっぱい食べたい!という意識も無くなります。つまり、本当の意味で楽して痩せれるところに糖質制限の最大の魅力があります。

エネルギー回路の変換する期間はもちろんひとそれぞれですが、平均して20~30日かかります。この間だけ回路の揺さぶりが起きるせいか、妙にお腹が減ったり抑圧からパフェを食べたい衝動にかられることがおおいですが、それを過ぎるとその欲も消えていきます。

あなたのダイエットや健康管理の力になれば幸いです。カトキチでした。

参考文献
炭水化物が人類を滅ぼす 光文社新書 著:夏井睦
甘いもの中毒 私たちを蝕むマイルドドラックの正体 朝日新書 著:宗田哲男
食の探求 間違いだらけのカロリー計算 日経サイエンス 著:Rob Dunn