シップ処方量1年間で54億5千万円

おばあちゃん家や実家の冷蔵庫を開けるとツーンとメントールの香り、使ってもないシップが大量に保存されていたという事、経験している人多いのではないでしょうか。

今回、厚生労働省がシップ剤の年間処方量がどれぐらいになるのか統計をまとめました。
その数なんと、54億5千万円。

シップ一枚の薬価は40円程度ですから個人負担費用も非常に安価です。ですから、お年寄りが足腰の痛みで病院にいけば、必ずといっていいほど余すぐらいのシップを処方してもらって帰ってきます。そのため冷蔵庫にどんどん蓄積されていくのですね。

しかしちりも積もれば山となり、全国で処方された数を計算すれば54億5千万円にもなります。そして、そのほとんどは70歳以上が7割の消費ということです。
年間の薬剤費が全部で1300億円程度ですので、そのうちの54億円ですから、たかだかシップがいかに医療費を圧迫しているか解りますね。

そして、これも問題の一つ。患者さんに処方されて、飲まずに保管している余した薬の総額なんですが、これも70歳以上の方だけで475億円といわれています。

シップ処方量1年間で54億5千万円

ところで、シップは一時の鎮痛効果は多少あるものの、患部の炎症を奪う効果はほとんどなく、治療効果は期待できないものです。

ともなれば、年間1300億円の予算のうち、シップ54億5千万円と475億円の投薬料を、70歳以上のお年寄りが使っているという事になりますから、その占める割合が40%。ちょっと異常数値ですね。確かに病院にまじめにかかり続ける人たちは、ほとんどがお年寄り、数値と実態が合致します。

温シップも冷シップも温めないし冷やせない

わたしのコラム「シップは意味がない?」で説明しているように、温シップも冷シップも、どちらも皮膚温度を気化熱によって2℃ほど温度を下げるだけで、その冷却効果は筋肉やましてや関節までに到達しません。痛みが和らぐ気がするのは、どちらも薬効効果により、一時的に鎮痛効果があるだけです。つまり、当方からの見解では54億円も予算をかけるのは無駄でしかないって事になります。

これからの常識は患部を氷で冷やす

患部を氷で冷やす。このコラムを見ているぐらいのご年齢であれば、この表現になんの抵抗もないのではないでしょうか。痛い患部を氷で冷やすことには、プロ野球選手が効果を実証したことを皮切りに、メディアでも多く取り上げられ世間に馴染むようになってきました。

氷での冷却効果がしっかりと世間に伝わり、来年から70歳代の方たちが一斉に氷冷療法を実践した場合、54億円かかっていた医療費が0円になります。しかも2週間も継続冷却をしたら、ほとんどの慢性的な腰痛や膝痛が消失してしまいます。かかる負担は微々たる個人の電気代程度ですからその相乗効果といったら計り知れません。

人間の組成はタンパク質と水

シップ処方量1年間で54億5千万円

慢性的な疼痛でも新鮮な疼痛でも、患部が傷んでいる訳です。スーパーのお肉やお魚、卵などの生鮮食品を思い浮かべてください。それらは人の体を作る貴重なたんぱく質であり、それらは鮮度が良いほど体に良質な効果があることは明白なことです。そのため、その鮮度をできるだけ維持するために冷蔵庫で冷却保存しますよね。

タンパク質は非常に熱に弱い組成体です。人も動物も、タンパク質が良好状態を保つために恒温を維持している訳ですから、それ以上の熱を加えれば寿命を縮めるだけです。
鮮度を保つためにはいかに熱を加えないかが常識であるのにも関わらず、70歳代の方たちは患部に熱を加えることが何より良いことという意識が固定されていて、説明しても聞き入れられる方が少なくて困りものです。

さらに困った事に、日本の多くの整形外科では、通院すると患部にマイクロ波や赤外線を照射し熱を加え、帰るときには大量の冷シップを処方し、さっきまで温めていた患部に貼りつけて余した分を冷蔵庫に保管するわけですから、あべこべで本末転倒なことを未だにしているのです。
良かれ悪かれ日本人の気質、信じるという気持を重んじる70歳代の先輩たち。お医者様のすることを疑うという気持ちはあまりないのでしょうね。

我々の収めた公費を有効に使ってもらうためには、40兆円も予算を組まれている医療費問題は避けて通れません。かつては冷蔵庫にシップだらけの時代もあった…という日が早く来るように、こういった事を拾っては地道に啓蒙し続けてまいります。

加藤整骨院
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