水素水

巷でよく見る“水素水”効果の程は?

水素水と書いてある飲料水や生成器を最近よく見かけるようになりましたね。
流行り始めたのは昨年頃?今は世間に知れ渡るようになり、各ドリンク大手の会社がこぞって競うようになりました。その為コンビニに行けば必ず「高濃度水素水」などと書かれた飲料水を見かけます。
わたしは水の過剰な健康効果を謳うものには非常に慎重です。そもそも、水がどういうものかという事自体が今でも解っていない難しい物質だからです。
さて、水素水。効果の程はいかに…。

残念ながら水素水が健康に良いとされる証明は一切されていない

残念な事実なのですが、水素水の健康効果や病気に効くという事は、科学的に「可能性はある」とされるものの「効果がある」と証明された事は一切ありません。
胃酸の中和に役立つという効果は確かなようですが、その他の水素水による、いわゆる体内での活性酸素除去効果などは証明されていません。

そもそも、水素というのは水にとても溶け込みにくい物質であり、うまく溶け込ませたとしても外気にさらすとあっという間にガス化して気体となる性質をもっています。
つまり容器に水素水を詰めても蓋を開ければすぐにガス化し水の中から逃げ出してしまうのです。そのような性質の水素を、たとえうまく体内に取り入れたとしても消化管内でガス化してゲップやおならでガスとして放出してしまいます。腸管には気体を取りこむ機能は乏しい事からも、現在の技術では経口摂取で水素を体内に取り入れる方法というのは難しい事なのです。

しかし、なぜこれほどまでに水素水が注目されたかといえば、日本大学の太田教授が世界的有名科学雑誌ネイチャーに「水素の活性酸素除去の可能性」という論文がクローズアップされて以来の事。

その内容は脳疾患の患者さんに“水素ガス”“呼吸器”で吸わせた場合に、大量に発生するはずの活性酸素を優位に抑制できたという内容。水ではなくガスでの話です。

つまり、そもそも水に溶け込みずらい水素をなんとか生成器で溶け込ましたとしても、外気にさらせばあっという間にガス化する事、水素水では体内の活性酸素を除去できると一切証明されていない事、そしてブーム火付け役の元、太田教授の論文は、「“水素ガス”として吸入した際に活性酸素を除去できる可能性がある」という噛み合わないままの理由から飛躍して、なぜか“水素水”が健康に良いという形で現在の異常な水素水ブームに至る…という事なんです。

これが基本のベースにあるのに、各企業はさも「健康効果がある」というイメージで販売を競っているのが現状ですね。

水素水の過剰宣伝控えて!今年になって国がついに警告

健康効果が定かではないのはゆるぎない事実なのですが、それでもさも健康効果があるような言い回しで各社の水素水販売競争は拍車をかけています。中には水素すら入っていないとされるインチキ商品も横行し、ついに行政からイエローカードがだされました。

本年3月10日、国民生活センターは「紛らわしい商品アピールに注意して下さい。示されている数値に惑わされない様に」と呼びかけ。

水素水が健康に良いとされる最たる理由はヒドロキシラジカルという活性酸素を除去する可能性があるということからきていますが、実際はコップや容器の中にあるヒドロキシラジカルの抑制の話で、各社のデータはそれに基づいて競い合っているもので、人体の中でヒドロキシラジカルを抑制するデータ数字とはまったくの別物であるのです。
ましてや水素とはとっても小さな分子で、例え容器に詰まっていたとしても蓋を開けるとすぐに出て行ってしまい、ペットボトルに入れてもペットボトルの容器密度より小さな水素は、容器の網の目をかいくぐって外に逃げ出してしまうという事です。ザルに米を入れても落ちないけど水は流れ出る。そんなイメージですね。

よくスーパーやフィットネスジムに水素水生成器が置いてあって、それをペットボトルで補給しているとなると無意味ということになります。
しかもほとんどの場合、意味が無いのにも関わらず月額料を徴収しています。周りにそのような方がいたら教えてあげて下さい。

おーい○茶で有名な伊藤園は…

水素水

伊藤園は今や清涼飲料水のトップメーカーに肩を並べています。伊藤園は積極的にこの水素水ブームにのって売り上げをあげようと経営戦略を立てているようです。

大きな企業でありながら、まだ不確定な水素水を販売しても良いのだろうかと疑問に思う所です。そこで伊藤園のホームページでこの水素水についての説明をみたところ…

Q1. 水素水って何ですか?
A1. 水素分子(H2)が溶け込んだ水のことです。
Q3. 開けたらすぐ飲まなきゃいけないのですか?
A3. 水素は、非常に軽くて小さいため、一度開封すると徐々に空気中に抜けていきますので、出来るだけ早めにお飲みください。
Q6.どんな健康効果がありますか?
A6.伊藤園が販売する水素水は医薬品ではないため健康効果を標ぼうするものではありません。
Q7. いつ飲んだらいいですか?
A7. 水素水は医療品や医薬品ではないので、特別飲むタイミングを気にする必要はありません。水と同じように、朝目覚めた時や、夜寝る前、お風呂上りやスポーツをするときなど通常の水分補給と同じ感覚でお飲みください。
Q9. なぜ水素水を販売しているのですか?
A9. 水分補給の1つの選択肢として販売しております。

https://www.itoen.co.jp/customer/faq/detail/beverage_10.php

ということです。

つまり、行政からの指摘も強化されていますし、大企業ですからウソはつけません。この文面から言うと伊藤園は水素水に健康効果は期待できず普通の清涼飲料水として水分補給に活用して下さいと公言している事になります。

とりわけ健康効果の期待できない普通の水を、さも健康に良さそうなパッケージングをしながら200円で販売している訳ですから、良い商品と、売れる商品というのはまったく別のところにあるんだなと、経営者という視点からみると感心してしまいます。飲んでも普通の水ですから、健康被害にあう事はないのでその点は安心です。

活性酸素を少なくするためにどうすればいいのか

水素水

水素水に期待が出来ないなら何で抗酸化をしていけばいいのか。不安に思う方もいるでしょう。でも心配する事は全くありません。すでに抗酸化作用がある事が認められている食材は山ほどありますから。バナナやぶどう、リンゴなどのフレッシュな果物にキャベツやレタスなどの野菜。
とくにお野菜に含まれるビタミンCはいくつもの論文から顕著な抗酸化作用が確認されています。

当院がビタミンCだけを抽出して皆さんに提供しているのはそれなりの理由があるからですね。

カトセイのビタミンC 「キレーションC」 →2,800円(税抜)
http://katosei.com/original-item.html

さらに、砂糖菓子や炭水化物の過剰摂取は“糖化”(老化と考えてもいいです)という問題を進行させ活性酸素を大量発生させます。食品添加物や人工甘味料などの科学物質もまた活性酸素を多く発生させます。“抗酸化作用のある”食品を選ぶのも大切ですが“活性酸素を発生させる”食品を口にしないのも大変重要です。

どうも私達は、効果のある食品選びばかりに捉われ、活性酸素を出す物を“口にしない”選択肢をないがしろにする傾向があります。効果は無いに等しい水素水に飛びつくのも、この傾向を象徴してますね。

また、食品選びとは別に生活習慣が活性酸素を左右しているのも知っていた方がいいでしょう。毎日の喫煙や飲酒、夜更かしや不眠やストレス。こういったものがどれほど活性酸素により身体を蝕んでいるのか知る必要があります。また、呼吸習慣もとても大切で、口呼吸が常習的な人は体内に活性酸素を発生させやすいのでご注意。呼吸は鼻呼吸が本来の形です。

糖化について
http://katosei.com/column/column160128/

適度な運動や食事量、規則正しい生活、質の良い睡眠。このような基本的生活習慣を順守することに勝る、活性酸素除去効果のある食品など無いものですよ。

健康効果のある“物質”を探すより、健康効果のある“生活習慣”を手に入れる。毎日の心がけがあなたを活性酸素や老化から守ってくれます。カトキチでした。

—編集後記—
ブームは誰がつくっているの?
今回の記事はいかがでしたでしょうか。いくら流行っているものがあったとしても、それが確実なものかどうかはまた別の話。テレビでバナナがダイエットに効くといえば、しばらくの間スーパーからバナナが無くなり、ところてんが効くとなればところてんが品切れになります。
それが真意かどうかは別の所で爆発的に流行して、そして真意を確認しないままに次の流行が起こります。今日までその繰り返しで今は水素水。それだけの話です。これだけ流行するには火付け役がいます。
その火付け役はTVを使って宣伝するマーケティングのプロですから、これだけ世の中をブームに出来る彼らには感心しますね。カトセイコラム読者の皆さんは冷静に事象を捉えて下さいよ。

院長:カトキチ